外壁塗装は、建物の外壁だけではなく、建物全体に影響する極めて重要な施工です。「しっかりとした外壁塗装が建物の倒壊を防ぐ」といってもいいくらい、根本的な耐久性を高めるうえでも大切な施工となっています。そうした重要な施工であるからこそ、効果やメリットをしっかりと把握しておきましょう。今回は、外壁塗装の効果、とくにメリットについて解説します。
1.外壁塗装の意義は「建物全体の耐久性を高める」こと
外壁塗装は、塗装という言葉のイメージから、「外面の見た目を綺麗にする」施工だと思っている人も少なくないのではないでしょうか。しかしながら、そういうイメージとは裏腹に、実はどんな建物であっても外壁塗装は必ず行っておく必要があると言っていいくらい、重要なものなのです。
外壁塗装の最大の目的と意義はもちろん、「外壁を強化する」ということにあるのは当たり前なのですが、この外壁を強化することが、ひいては「建物自体の耐久性を大幅に上げる」ことにつながっていくのです。
とくに戸建ての住宅の場合、建物は外側からの力よりも、内側からの力に弱いと言われています。極端な例ですがたとえば台風の日に外壁に大きな穴が開いたとしたら、その穴から入ってきた強風が上方向へ巻き上がり、屋根を吹っ飛ばしてしまうといったことも起こり得るのです。
他にもさまざまな効果がありますが、そうしたさまざまな効果によって家全体を守っているのが外壁で、外壁の強度を非常に高めてくれるのが外壁塗装なのです。
2.外壁塗装の効果①:建物の命を左右する「水」の侵入を防ぐ効果がある
まず、外壁塗装の最大の効果は「防水」です。建物にとって最大の脅威となるのは、よくイメージされる火よりも、むしろ水のことが多いのです。
たとえば戸建ての住宅の場合、建物の根本部分は木造で組まれています。水は液体ですから、水を弾いてしまう物質以外、あらゆる物質に対して浸透しようとする働きがあります。つまり、木造建築の場合、もし根本部分に水が入ってしまったら、喩えでもよくつかわれる「大黒柱」が腐ってしまうことになりかねませんし、建物を縁の下から支えている床下の木材をも腐らせてしまうのです。
また、水の怖いところは、水を媒介にして建物を劣化させるものを呼び寄せてしまうことにもあります。たとえば、水を含んでしまった木材に発生するカビの類や、鉄筋の場合に金属を腐食させてしまう錆によって、木の柱が腐ったのと同じ規模の危険を招いてしまうことになりかねません。
ここまでの危機が起こることは珍しいかもしれませんが、屋根や天井部分に水が入ることで起こる「雨漏り」はわりと起こりうる事象ではないでしょうか。雨漏りも放置しておくと建物の基礎部分を腐らせることにつながります。要するに、建物にとって防水とは建物全体の命を守る非常に重要な概念なのです。そして、その防水の役割を果たしてくれるのが外壁塗装なのです。
3.外壁塗装の効果②:熱や光、カビなどを防ぐことで長期的な保護性能を高める
建物の役割というのは、人間にとって思いのほか大きなものです。
人間は快適な生活空間を作るということ以前に、雨風をしのげる安心できる場所として住居を建ててきました。より住みやすさを追求した結果でもあるのですが、何よりも建物全体をいかに長く保持できるかといった観点に立った時、外壁塗装には防水だけではないさまざまな保護機能を与えられます。
まずは「遮熱効果」「遮光効果」です。とくに夏の暑い時期などには、太陽から降り注ぐ紫外線は非常に強くなり、人体にとって影響があることはもちろん、建物の外壁も強い紫外線を浴びることで劣化してしまいます。そこで外壁に塗装を施すことによって、強い太陽光から外壁や室内を守る効果が生まれるのです。
太陽光は熱を持っていますから、温度変化によっても外壁が歪んでしまうなど、ただならぬ影響を与えてしまいます。外壁に塗装を施すことによって遮光性だけでなく遮熱性が生まれ、そうした温度変化による影響を最小限に抑えられるでしょう。
そして外壁塗装の素材によっては、防カビ・防藻などの効果も期待できます。こうした生物の侵食による建物の劣化も、湿度の高い日本の夏には切実な問題となります。こうしたあらゆる外的要因から建物を守れるのが、外壁塗装の最大のメリットなのです。
4.外壁塗装の効果③:建物をより美しく見せる機能もある
外壁塗装には当然のことながら、建物の見た目をより美しく見せるための効果ももちろんあります。そうしたいわゆる「美装機能」よりも、建物の保護機能が重要ではあるのですが、やはり塗装というくらいですから、見た目に与える影響も当然大きなものになります。
外壁塗装の塗料や、外壁材にはさまざまな種類があり、好みや目的に応じて使い分けが可能です。そうしたさまざまな素材を組み合わせて、最適な見た目や機能を与えていくことが大切なのです。
外壁の見た目を美しくすること自体にもメリットがあって、たとえば経済的な効果があるとされています。具体的には物件としての価値につながっていくのですが、やはり見た目的な美しさや真新しい外壁塗装には魅力があり、建物の評価額も上がる可能性があります。
外壁塗装が建物全体を守る、というのは、資産価値という意味合いにおいても当てはまるということです。このように外壁塗装には、見た目だけではない、多角的なメリットがあるのです。
5.まとめ
以上、外壁塗装の効果について、一通り解説しました。外壁塗装はさまざまな環境的な要因から建物を守るだけではなく、資産価値にもかかわってくる見た目の美装機能を強化することで、資産としての建物を守ることにもつながります。生活に欠かせない建物という存在を長く使っていくためにも、外壁塗装に対する意識は高めておいたほうがいいでしょう。
熊本市は、気候的にも雨が多く、台風も多い地域です。また、近年では地震などの大きな災害にも見舞われたという経緯もあって、ますます今後は外壁塗装が重要になっていくでしょう。災害に強い家づくりにおいても、外壁塗装が生み出す効果は小さくありません。家の老朽化が心配な方は、ぜひとも外壁塗装の強化を検討するべきです。